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■聖陵会の海外ボランティア事業がNPO法人として認定されました。 |
聖陵会では、これまでのカンボジアのアンコール小児病院・タイの山岳少数民族への医療などの支援活動・カメルーンの奥地ミンドゥールで森林伐採に苦しむピグミー族を支えるシスター末吉氏のサポートといった、海外ボランティア活動を展開してきました。
そして、これらの活動の今後更なる発展を目指すべく、海外ボランティア事業を中心としたNPO法人を設立させることを決意し、この度2006年12月6日(水曜日)に無事NPO法人の認定を得ることが出来ました。 この名は、アジア・アフリカ圏の少数民族の人々にとって、「木」のような支えであったり、寄り添う存在となりたい、といった想いから名付けられました。 今後とも「聖陵会の海外ボランティア事業」改め、「NPO法人 The Tree Of Minority Tribes」の活動へのご協力を、宜しくお願い致します。 |
NPO法人 The Tree Of Minority Tribes 理事長 内村 博 |
■シスター末吉さん3年振りの訪問 |
シャルトル聖パウロ修道女(東京)から、熱帯雨林という厳しい気象条件のカメルーン奥地に派遣されて12年。3年振りの一時帰国で貴重な日本滞在期間の最中、わざわざ聖涼祭に駆けつけて下さったシスターは、相変わらず優しく、静かに微笑んでいました。 理想論や綺麗事では、とうてい12年という長い月日をあの地で過ごす、いえ、生きていけないのではないかと、現状報告を頭の下がる思いで聞かせてもらいました。祭りの翌朝、シスターはいつもの日曜日を、日田のある教会で静かに手を合わせ祈りの時間を過ごされたそうです。どこにいてもきっとシスターの側には神様がいるのだろうと、信仰心の薄い私でもそう感じました。 ふっと、マザー・テレサの言葉が浮かびます。 I am only a pencile in the hand of God .(私は、単なる神の手の中の鉛筆にすぎない。) 56歳、決して若くない年齢に差し掛かり、あの過酷なカメルーンの奥地へと再び戻って行かれるとのこと。私達凡人には考えられないような強い意志...。もしかするとシスターも、神の手の中の鉛筆なのかも知れません。 私達に今できることは、ささやかではありますが一人一人の募金活動と、そう遠くない将来、神様がそっとその手から鉛筆を離す日が来るのを願いながら、末吉さんのご健康をお祈りするばかりです。 |
高倉 |
■水と人 | |
タイでのゴンゴバの活動の一つが給水システムの構築である。下図を参照してほしい。それまではこの村の人達は、水源1まで毎日水汲みに出かけ水を確保していた。これはかなりの重労働であり、そのため生活に必要な最低限の水しか運べない。そこで、村から4km離れているが、標高のより高い位置にある水源2から水を引くことにした。 | |
その全長にわたってパイプを敷くわけだが、水源から一旦90m下の平地までおろし、そこから50mの高さの村まで水を上げ、その差40mの圧で村に水を供給する。原理だけ述べると簡単なようだが、Aの部分のパイプには90mの水圧がかかるため破裂の危険性があり、また土砂により時々閉塞することもあり、この設置にはかなりのノウハウを必要とする。 この方式を考え出したのは、現地で少数民族支援のNGO活動をしているクニカ氏である。このクニカ氏の指導のもとに学習院とタイの学生がパイプを敷いた。この方式の良いところは、モーターなどの動力を全く使わないことだ。設置もその維持管理も人手だけでできる。土砂によるパイプの閉塞は定期的にAの部分のパイプだけを掃除すればよいし、万一破損したときは一時的に竹を使って代用できる。 その結果、一度給水システムを設置すると、村人だけで永続的に管理・利用できる。このようにして湧き水を水源として、村の各戸に水道を設置できるようになった。これにより、村人が重労働から解放され、その時間をもっと別のことに費やせるようになる。常に水を利用できるため料理、洗濯、水浴びなど日常生活に必要な事柄が画期的に便利になる。トイレも水洗にできる。最先端の医療がなくても、衛生環境をよくするだけで、かなりの伝染病、皮膚病、胃腸病などを予防できる。 その結果、わずか1年の間に18戸だった村の戸数が31戸に増えた。今回、村を訪れたときはさらに2戸ほど建築中だった。村の人口も倍に増えた。 |
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聖陵ストリーム施設長 小南達矢 |
■GONGOVA2006 |
夜明けまで、まだしばらく時間があるころから、ニワトリの大輪唱が始まる。そして、夜が白み始める頃、村長さんの敷地内に構えた我が岩里診療所兼住居のテント横の道を水牛が群れをなして放牧に向かう。首に掛けられた木製の鈴と小走りで走り行く音が、コロコロコロ、ドッドッドッと調和して心地よい。 GONGOVA2006の朝はこのようにして始まる。今年はタイ北部の都市メーホンソンより西南西に車で2時間、ミャンマー国境付近のバンフェイケオボン村での活動である。ここは、40世帯約160人の白カレン族の村で、ほとんどの住民がキリスト教徒であると聞いた。休息日にはミサに参加させていただき、白カレン族の文化に触れることが出来た。 今年の現地ボランティア活動は、簡易水道施設建設工事で、8ヶ所に各2個ずつの貯水塔、計16個設置の計画である。まず、山の斜面を削り平地にし、竹を巧みに組み込んでコンクリート基礎工事を行い、拾い集めてきた小石とコンクリートを混ぜて流し込み、貯水塔の土台を作った。その上に、1個50kgはあろうかと思われるコンクリート製のリングを6段積み上げると貯水塔の形になった。私の滞在中はここまで。後は、山の貯水湖よりパイプを延々繋いで投まで到達させる作業で、学生たちの今後の活躍に期待する。 作業を手伝いながら本業の医師としての活動は、連日現地の患者さんが来院。ナタで第2指(人差し指)を切断した2歳の男の子、外耳道に虫が入り込んだ女性、エビ・カニアレルギーの少年がカニ汁を食し腹痛、釘を踏んだ女性数人、虫刺されが化膿した女性、リンパ節がグリグリに腫れているおじさん、見た事のない皮膚炎の少女、再発性口唇潰瘍の老女など様々な患者さんが来た。また、学生・スタッフの発熱、便秘、腹痛、ダニ咬症、痔などを診察。滞在期間中は延べ50人ほど診察・処置・投薬したことになる。これを一人でこなすのはかなり大変で、クリニックスタッフの日頃の仕事振りに、遠いタイの奥地より感謝したのであった。通常、現地の人はおそらくこの程度では病院に行かないな〜と想うのだが・・・。 診察後、言葉は通じなくても手を合わせ感謝されると非常に嬉しかった。村を去る時、村長さん夫婦の感謝の言葉と、カレン族の手織りの袋・マフラーを頂いた。“ありがとうございました” 今年の学生たちは、GONGOVAの参加目的がはっきりした子が多く、しっかり自分の意見を持っており、頼もしく感じた。すばらしい連中に今年も出会えたことを嬉しく思い、新たな友人が増えたことに感謝!! また、タツご夫妻にはたいへんお世話になり、感謝とお祝いの辞を、そして、来年の再開を約束しGONGOVA2006の任務を終了した。 |
聖陵花月クリニック・院長 井原 亮 |
■タイ北西部のおける活動 |
GONGOVAとは、学習院海外研修プログラムという意味で学習院大学経済学部の川嶋辰彦教授を中心 とした学生ボランティアチームのことです。 年に一度2月中旬から3月中旬まで約1ヶ月間、タイ 北西の小さな村に滞在し井戸掘りや田畑の開墾など 様々な取り組みがされています。 4回目となる一昨年はバンパープアという村でコーヒー豆の栽培を行うための土地の開墾作業が行われました。 昨年は、バンメーチャンという村で学校の建設、トイレ の穴掘り作業が行われました。 この活動には開始後3年間医師等の同行はなく、一 昨年、昨年と初めて聖陵会から医師2名・看護師5名 が専属チームとして同行しました。 活動内容としては、20名ほどの学生参加メンバーの 健康管理と山岳少数民族の方に対する診療です。 当地はゴールデントライアングルといわれ、ビルマ・ ミャンマー・ラオスの国境地帯です。 |
■GONGOVAの活動に参加された方が病院へ来られました | |